本計画では、景観テーマを「城と公園の多様な緑とが調和し、かつ明石城の魅力を感じられる城を活かした公園の景観」とし、明治時代の明石公園・明石城の景観を目指すため、樹木の除伐・剪定計画を策定した。整備後(フォトモンタージュイメージ)では、除伐前の樹木が繁茂し、主景であるはずの石垣・櫓が視認しづらい眺望に比べ、石垣の稜線や隅部・威容がはっきりと確認できており、城と緑が調和した明石公園らしい景観が創出されることが確認できた。
JR明石駅からの眺望を中心とした「誘う」景観づくりでは、城と緑、公園の調和に配慮し、芝生広場等にある、大径木(クスノキなど)は除伐せず、剪定とすることで、城の石垣・櫓が視認できるように計画した。西芝生広場付近からの眺望を中心とした「楽しむ」景観づくりでは、樹木を皆伐するのではなく、可能な限り存置することで、石垣・櫓が見え隠れする動的・連続的で変化のある景観を創出することとした。
石垣・櫓直近からの眺望を中心とした「感じる」景観づくりでは、石垣から5m以内の樹木を中心に石垣直近の樹木を除伐することで、石垣のスケールや構造を細部まで視認できるように計画した。本計画の実施により、築城400周年を迎えるに相応しい景観が創出され、明石城の櫓・石垣の存在は、より多くの人に認知されるものと思われる。