明石公園の自然を次世代につなぐ会 メンバーの「振り返り集」
白亜のお城や石垣を濃い緑が包み込んだ明石公園の見慣れた風景が、見る見る変わっていったのに驚いた人々が「ストップ・ザ・過剰伐採」へ動き出してから3年が経ちました。
「明石公園の自然を次世代につなぐ会」という小さなグループが起ち上がったうねりが大きな反響を呼び、市や県を動かして伐採が中断され、県立公園のあり方を検討する機関が設けられました。その後、まる2年間の多彩な議論を経て、樹木の伐採や日常の管理をはじめ多様な側面を持つ公園の管理運営に市民が日常的に参画して市民や利用者の声を公園管理に反映する「新しいしくみ」が生まれようとしています。
明石公園の自然を次世代につなぐ会は、2年半の活動をまとめ、これからの課題を提案した総括文書を3月初めに発行しました。同時に、この運動に関わった会のメンバー一人ひとりがそれぞれの思いを込めて振り返った感想をまとめて、メンバーの「振り返り集」として編集しました。
いま、全国各地で公園や街路樹、まちの緑が苛まれています。SDGsが叫ばれ、地球温暖化や都市の自然復元が大きな課題になっている中での逆行に対して、市民の関心も高まっています。明石公園を舞台に展開された動きについての「総括」とメンバーの「振り返り」が、一人でも多くの方々の眼に触れることを願っています。
明石公園の自然を次世代につなぐ会は、これをもって団体としての活動を終息し、4月末で解散します。3年に及んだ活動の成果が、明石公園をはじめ全国の公園や緑地、まちの自然環境が次の世代に受け継がれていくことを祈念します。
目次
- 明石公園の自然の保全に向けて 柴田 剛(自然観察指導員、明石市在住)
- 深い緑に包まれたお城の再現に長い年月を待つ 山田利行(専門学校講師、明石市在住)
- 「明石公園の自然を次世代につなぐ会」が、つなぐものは… 坪谷令子(画家、明石市在住)
- 希少種の宝庫、守る手立てが見えた 奥津晶彦(昆虫観察ナビゲーター、神戸市西区)
- 明石公園を「循環型都市公園」のモデルに! 法貴弥貴(環境造園研究家、神戸市西区)
- 明石公園の価値を目覚めさせた“過剰伐採”騒動後の歩み 松本 誠(市民まちづくり研究所、明石市在住)
- 県立公園のあり方検討会「明石公園部会」の委員に参加して 1年半の活動を振り返る 明石公園の自然を次世代につなぐ会 代表 小林禧樹