廊下にあふれて170人超満員の熱気、「みんなの公園」へ熱い盛り上がり 斎藤知事が翌日4日現地視察後、伐採計画の中断を表明

活動記録

「かけがえのない自然を活かそう!」と呼びかけた明石公園の未来を考えるシンポジウムは4月3日、明石駅前のアスピア明石7階の「ウイズあかし」の会場で開かれました。収容定員120人の会場は開会時にはすでに満員状態で、廊下から耳を澄ませて聴講する参加者も含めて、熱い視線の中で自然豊かな「みんなの公園」めざす確かな道筋を共有しました。

基調講演では、庭師で環境造園研究家でもある法貴弥貴さんが「石垣の近くに樹木があってこそ、石垣裏の土壌の保水力が高まり、長い年月をかけて石垣を守ることができる。樹と石垣は本来“仲よし”の関係にある」ことを、写真や図解でわかりやすく説き、豊富な写真で裏付けました。

明石公園の植物調査から貴重な生態をスマホで市民に発信している明石高校の生徒グループは、かけがえのない自然を守り続けたいと訴え、そのために、「野草観察エリアの設置」、「草刈りの方法と時期の改善」等の4つの提言をしました。

市民からの訴えをいち早く受け止めて、市民とともに県に伐採の中止などを求めている泉房穂・明石市長は、伐採問題が3つの段階を経て明石公園の存在意義と管理のあり方の問題まで発展してきていることを説き、市民が参画して話し合って「みんなの公園」にしていくことを力強く表明しました。

パネル討議では、明石公園の自然を次世代につなぐ会代表でもある小林禧樹さんが植物研究者から見た明石公園の豊かな植生を語り、明石公園をフィールドに昆虫観察をしている奥津晶彦さんは、豊かな植生環境の中で生息している明石公園の昆虫の世界を豊富な写真で紹介しました。

また、日本野鳥の会ひょうご副代表でもある環境教育コーディネーターの丸谷聡子さんは、明石公園に生息する多彩な野鳥を紹介し、豊かな公園の生態系の頂点に立つ渡り鳥の大事なオアシスになっている公園だから、小学生のかけがえのない環境学習のフィールドになっていることを訴えました。

参加者からは10人から質問や意見が寄せられ、理不尽な伐採がなぜ行われたのかについての質問や、過剰伐採を問題にする運動が目ざす方向性、豊かな自然を優先しこれ以上の伐採を止めるには市民が何をしたらいいのか―など多岐にわたる質問や意見が出ました。

パネリストからは、明石公園は「全国でも有数の城壁や櫓が現存する国指定の史跡公園」であるとともに「都市のど真ん中に残された豊かな自然環境」と「多彩な運動施設を有する運動公園」の3つの側面があり、3つの価値は相乗効果を果たしながら明石公園の存在意義を高めていることが強調され、「自然と歴史と人が共生する希少な公園」として次世代に引き継いでいこう―と呼びかけられました。

さらに泉市長は最後に「市は明石公園に取り組むプロジェクトチームをつくった。市民の皆さんと一緒に知恵を出し合い、県にも働きかけた市民が誇りにできる公園にしていくことを約束する」と表明しました。

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