過剰伐採ストップから市民参画の公園づくりへ
兵庫県の数ある県立公園の中でも「特別な存在」である明石公園の樹木が短期間に 1678 本も伐採され、濃い緑に包まれた城址公園が丸裸にされて、城址という史跡によって守られてきた貴重な生態系が大きく損なわれようとしました。華々しく行われた「築城 400 年」を契機に公園管理者の県によって行われた暴挙に対して、伐採中止と公園の自然環境保全を求める市民運動のうねりが高まり、伐採は中断されました。
県は「県立公園のあり方検討会」を発足させて、オープンな議論を行う中で当初の樹木伐採計画は中止し、今後は公園の管理運営に市民が参加する仕組みの下で、一本一本の樹木について伐採が必要かどうかの合意形成を行うことになりました。幅広い市民参画による樹木管理のルールや公園の管理運営の仕組みづくりを 2 年間かけて生み出し、明石公園に新たなページが拓かれようとしています。
過剰な伐採に対して、伐採中止と自然環境を保全することを求めて立ち上がった市民団体「明石公園の自然を次世代につなぐ会」(以下、明石公園つなぐ会と略称)は、2 年半の活動の中でどのような成果を生み出し、課題を残したのか? 2 年半の軌跡を振り返り、その成果と課題を総括的にまとめました。
目 次
Ⅰ 2 年間余の活動の経過(4 つのステージに区分)
- 2017~2021 築城 400 周年事業(2019 年)へ向けて石垣周辺の伐採開始(前史)
- 2021/11~2022/4 過剰伐採の中止求める市民が立ち上がりと伐採の中断(草創期)
- 2022/7~2022/12 明石公園部会を土俵に市民が参画する仕組みづくりへ(対応期)
- 2023/1~2023/12 部会 2 年目継続「管理運営と市民参画の仕組みづくり」(整理期)
Ⅱ 何が問われたのか?(論点の整理)
- 明石公園の過剰な樹木伐採は、なぜ行われたのか?
- 樹木伐採を中止し速やかに計画再検討に至ったのは、なぜか?
- 明石公園はどうあるべきか? 地元市や市民の公園への関わりに変化か
- 県立公園の中で、明石公園にはなぜ管理運営への市民参加の仕組みがなかったのか?
- 明石公園のステークホルダーと、市民参画の管理運営の仕組みはどうあるべきか?
- 公園の緑は誰のものか?
- 情報公開の進展が生み出した不信感のやわらぎ
- いわゆる「5m 問題」と会の「樹と石垣は実は仲良し」の主張
- 「明石公園の自然を次世代につなぐ会」が果たした役割と今後
Ⅲ 資料
現在作成途中です。