明石市長に要望書を提出し、懇談しました

活動記録

1月29日(土)12時〜 市長室で、要望書を提出しました。

今、明石公園で行われている伐採を中断し、長年、明石公園の生態系を調査、研究、活動してきた県民・市民の意見を聞き、伐採計画を見直すよう、兵庫県に働きかけていただけるよう、小林代表から市長に要望しました。

要望書

2022年1月29日
明石市長 泉 房 穂 様

明石公園の自然を次世代につなぐ会
代表 小 林 禧 樹

要 望 書
明石公園のかけがえのない自然や生態系を次世代につないでください

私たちは、明石公園の身近な自然環境を未来の子どもたちにも受け継いでいくことを願って、それぞれ活動、研究、調査等をしている市民や団体が集まって立ち上げた会です。

明石公園は、明石駅前という都市の中心部にありながら、長年、明石城という史跡によって貴重な生態系が守られてきました。城址が400 年間残されてきたことによって守られてきた絶滅危惧種も多く、生物多様性が高く豊かな生態系が残された全国でも極めてまれな都市公園です。明石市の資料から92 種の希少種が確認されていることも明らかになっています。

また、明石公園のコナラ-アベマキ群落は、「兵庫の貴重な自然 兵庫県版レッドデータブック2020(植物・植物群落)」において、C ランクに指定され、明石市が策定した生物多様性あかし戦略においても「まとまりのある自然が残る地域拠点」「貴重な自然が残る明石市を代表する公園」として選定されました。

さらに、明石公園は、駅に近く車いすでも利用できるなど利便性の高さから、明石市内小学校の多くが環境体験学習のフィールドとして利用しており、身近な自然を通して、自然の不思議や心震わす感動を体験し、いのちの大切さや持続可能な地球のために自分たちに何ができるか考える教育の場になっています。また、どんぐりひろいをはじめ、幼児期の五感を育てる大切な自然体験の場としても多く利用されています。このような自然豊かな緑地ゾーンがあることは、私たち明石市民にとって誇りであり、宝でもあります。

その大切な明石公園の樹木が、景観や石垣保護の名目で毎年伐採されています。兵庫県に確認したところ、2018年度292 本、2019 年度313 本、2020年度683本が伐採され、2021年度は630本伐採予定のうち400 本が既に伐採されています。4年間の合計は1918本、うち石垣保護のための伐採が1210 本です。石垣保護とは直接関係ない樹木も多く伐採されており、あちこちに残る切り株の風景に、ここまで伐採しないといけないのかと唖然とします。

明石市内の小学校の環境学習で一年を通して観察していたモッコクの木も伐採されてしまいました。公園側に協力をお願いしていた木でした。昨年度も別の小学校で同じようなことがありました。いずれも石垣には影響のない場所にあった樹木でした。絶滅危惧種の生育を損なう伐採もありました。事前にお願いしていたのにもかかわらずの伐採でした。残念でなりません。江戸時代から何百年も守られてきた樹木をはじめとする自然は、一度壊してしまったら元に戻すのは容易なことではありません。

コロナ後の社会は「グリーンリカバリー」が重要と言われており、欧米ではその取り組みが推進されています。明石公園の価値は、石垣と桜と紅葉だけではありません。自然と共生する持続可能なまちづくりのために、活用できる無限の可能性がある公園だと思います。明石公園は県立公園ですが、長年、明石市民が親しんできた公園です。ぜひとも、子どもたちの豊かな未来のために、自然と歴史と人が共生する公園として未来につないでいただきたく、明石市として適切な対応を要望いたします。特に以下の2点については、早急な対応を要望します。

  1. 今実施している伐採を中断し、長年、明石公園の生態系を調査、研究、活動してきた県民・市民の意見を聞き、伐採計画を見直すよう、兵庫県に働きかけてください。
  2. 明石公園全体の整備計画についても、SDGs未来都市を掲げる明石市として、新しい発想で、明石の子どもたちが自然とふれあい、生きる力を育む場や市民の憩いの場としてのパークマネージメントを柱にして、かけがえのない自然や生態系を保全できるように対応してください。

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神戸新聞の報道

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