「明石公園の豊かな自然を再生しよう」をテーマに7月18日(月・祝日)午後、明石駅前のアスピア明石7階704号で開かれた「明石公園の未来を考える集い」は、市民ら70人余が参加しました。4月3日のシンポジウムに次ぐ市民集会で、泉市長や県の公園緑地課副課長らも参加し、延べ20名余が明石公園への想いや「みんなの公園」にしていくための方策などを語り合いました。
シンポジウム以降、今年度の新たな伐採が中断され、斎藤県知事が表明した「県立公園のあり方検討会」が始まり、市もプロジェクトチームを発足させて市民団体はじめ関係団体等に大規模なヒアリングを進めていることなどが報告され、伐採された樹木の年輪調査やあり方検討会に出席したつなぐ会の代表の報告も行われました。
また、県のあり方検討会明石公園部会の副会長を務める嶽山洋志さん(県立大学准教授、淡路景観園芸学校専門員)は特別講演で、パークマネジメントや「プレーパーク運動」の歴史などに触れながら、市民が参画した公園の管理運営の具体的な事例を紹介し、公園に民間活力を導入する「パークPFI」方式のメリットとデメリットについても解説しました。
この中で嶽山さんは「パークマネジメントは、どういう公園をつくっていくかというコンセプトをみんなが参加してつくることが大切。明石公園でそういう試みを実現したい」と呼びかけました。
また、所用で岡山に出かけていた泉房穂市長は現地からオンラインで参加し、議論に加わりました。15日に第1回会議が開かれた県のあり方検討会明石公園部会に委員として出席し、縦横無尽の発言で会議をリードした同市長は、この日の集いでも「公園とは何か」「公園のあり方を決めるのはだれか」「公園には税金をしっかり使うべきだ」と論点を主張し、豊かな自然環境をはじめとした明石公園の持つ多面的な要素を大事にした「みんなの大切な公園」として取り組んでいきたいと訴えました。そのためには、「幅広い市民の意見を丁寧に聞き、丁寧な議論を重ねていくことが大事だ」と県にもクギを刺しました。
トークセッションでは参加した市民が次々に発言に立ちました。
明石駅前で育った80歳の男性は「明石公園は子ども時代から遊び場として想い出がいっぱい詰まっている。石垣を支えてきた木が所かまわず伐採されたのには驚いた。市民の想いが詰まっているかけがえのない公園だ」と振り返りました。
毎日早朝、公園を約7キロ散歩しながらゴミ拾いを続けている男性は「ごみが多いのに驚くが、同じように何人かの市民がゴミ拾いを続けて、来園者に気持ちの良いきれいな公園に努めている」と話し、近くの小学校で子どもたちに話すと子どもたちもゴミ拾いに参加してくれたことなども紹介されました。
また、明石公園近くに住む元市職員の男性は「明石公園の良いところは、お金を使わずに誰でも一日を過ごせる公園だ。明石駅前に隣接し、30万都市の中心市街地に接する公園に、飲食施設など要らない。お金を持っていない子どもたちでも寂しい気持ちにさせない“社会的な視点”が大切だ」と話しました。
こうした声を聴いていた県公園緑地課の副課長は「多くの話を聴き感激している。公園のあり方については多様な意見があるが、あり方検討会では希望があれば全ての人から意見を聞き皆さんの意見を反映した公園にしていきたい。納得していただけるまで話し合いたい」と答えました
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明石公園の自然を次世代につなぐ会は、今後も県のあり方検討会をフォローするとともに、市民の声を反映していくための機会をつくっていきます。
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