県知事宛に要請をしました

活動記録

11月18日、明石公園の自然を次世代につなぐ会として、兵庫県齋藤知事宛に「明石公園のかけがえのない自然や生態系を次世代につないでください」というタイトルで、伐採計画の見直しや今ある自然を生かしたパークマネージメントを県民と共に考え、実行していただきたいという趣旨の要望書を提出しました。

明石公園の自然を次世代につなぐ会は、今回のことをきっかけに、明石公園で活動している自然関係のグループや団体の代表の皆さんと一緒に立ち上げました。代表は、兵庫県植物誌研究会代表の小林先生がお引き受けくださいました。

残念ながら、知事に直接お渡しすることは叶わず、明石公園までお運びくださった兵庫県県土整備部 まちづくり局公園緑化課長に受け取っていただきました。その後、要望書の説明や思いをお伝えし、県から現状説明がありました。さらに、現地を一緒に見ながら意見交換、3時間近くかけて明石公園の今まで気づいておられなかった価値を知っていただくことができたと思います。

課題山積ですが、まずは一歩踏み出せたと思います。今回のことを通して、県民、市民の声をしっかり届けることがすごく大事だと思いました。

齋藤知事がお子さんと明石公園の自然に触れておられているエピソードも教えていただき、とてもうれしいです。本当にありがとうございました。

兵庫県、兵庫県園芸・公園協会に情報公開請求した膨大な資料があります。ご覧になりたい方はご連絡ください。

知事に提出した要望書

 2021年11月18日

兵庫県知事 齋藤 元彦 様

明石公園の自然を次世代につなぐ会
代表  小 林 禧 樹

要 望 書
明石公園のかけがえのない自然や生態系を次世代につないでください

 私たちは、明石公園の身近な自然環境を、未来の子どもたちにも受け継いでいくことを願って、それぞれ活動、研究、調査等をしている県民や団体が集まって立ち上げた会です。

 明石公園は、明石駅前という都市の中心部にありながら、長年、明石城という史跡によって貴重な生態系が守られてきました。城址が400年間残されてきたことによって守られてきた絶滅危惧種も多く、生物多様性が高く豊かな生態系が残された全国でも極めてまれな都市公園です。

また、明石公園のコナラ-アベマキ群落は、「兵庫の貴重な自然 兵庫県版レッドデータブック2020(植物・植物群落)」において、Cランクに指定され、明石市が策定した生物多様性あかし戦略においても「まとまりのある自然が残る地域拠点」、「貴重な自然が残る明石市を代表する公園」として選定されました。

 さらに、明石公園は、駅に近いことや車椅子でも利用できるなどの利便性の高さから、神戸、東播磨地域の多くの小学校が環境体験学習のフィールドとして利用しており、子どもたちが、身近な自然を通して、自然の不思議や心震わす感動を体験し、命の大切さや持続可能な地球のために自分たちに何ができるか考える教育の場にもなっています。このような自然豊かな緑地ゾーンがあることは、日頃から、明石公園で活動している私たち県民にとって誇りです。江戸時代から何百年も守られてきた樹木をはじめとする自然は、一度壊してしまったら、元に戻すのは容易なことではありません。

 コロナ後の社会は「グリーンリカバリー」が重要と言われており、欧米ではその取り組みが推進されています。明石公園の価値は、石垣と桜と紅葉だけではありません。自然と共生する兵庫の持続可能なまちづくりのために、有効に活用できる無限の可能性がある公園だと思います。ぜひとも、子どもたちの豊かな未来のために自然と歴史と人が共生する公園として未来につないでいただきたく、特に以下の2点について、早急に対応していただきたく要望いたします。

① 現在、石垣を守るためとの計画で、必要以上に樹木が伐採され、明石公園の貴重な生態系が脅かされる状況にあります。まずは、今実施している伐採を中断していただき、長年、明石公園の生態系を調査、研究、活動してきた県民の意見を聞き、伐採計画を見直してください。

② 今後の明石公園全体の整備計画についても、多くの子どもたちが自然とふれあい、生きる力を育む環境学習や県民の憩いの場として自然環境を保全してください。自然環境を守ることで、ネイチャーツアーなど観光資源として利用でき、県民の健康増進にも寄与するなど、経済や社会もよくなっていくというSDGsを基軸とした新しい発想で、今ある自然を生かしたパークマネージメントを県民と共に考え、実行してください。

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